栽培者 :NOWTENKI
栽培場所:東京都町田市
NO TENKIのユニーク会員(実働及び出資会員)は約20人程度、シーズンによって変動する。
基本的にフリーダムで、参加有無や作業スタイルはマイペース。お互いを理解し合い、協力し
合いながら農業を学ばせてもらっているからこそ、異なる生活スタイルでもやっていけるんだ。
『NOWTENKI』という名前には三つの意味があって、一つは農転機(農が変化する時)、二つ
目はナウ転機(今変わる時)、三つ目は能天気(のんきで気楽にやろうよ)という感じ。
田畑の賃料や栽培経費をみんなで出し合って野菜やお米作りを楽しんでいる。
2018年2月、リーダーのミッチェルから「今年は生姜を植え付けたい」との提案があり、
僕らは初めて生姜栽培を試みることになった。
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【4月】
畑の植え付け面積から畝の幅と長さを計算して
準備万端。耕運機で耕してから畝を立てる。
畝は高めで、雨の後、水が溜まらないように
傾斜を付けるのが大事なポイントだ。
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種芋を植える。
種芋とは生姜のことだ。
生姜はそれ自体が種になることを初めて知った。
土佐から運ばれてきた種芋を皆で植えた。
植えた種芋に3cmほど土を被せる。
種に適度な湿度が保たれて、保温効果も
得られるよう植えた上に草を被せる。
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【6月】
待ち遠しかった芽がやっと出て安心した。
この後、どんな風に育つのか?
どう出来上がるのかと想像を膨らませながら、
まだ幼い生姜の茎の周りに生えた雑草を
丁寧にきれいにむしった。
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【7月中旬】
台風対策として伸びる茎葉が倒れないように→
山に生えている竹を切り出し、支柱として使う。
生姜専用のネットを被せ、天に祈りながら畝の
全面に設置した。
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【8月中旬】
歴史的大型台風がここ町田を通りすぎたが
茎葉は折れることなく順調に育っている。
事前にしっかり台風対策をした結果だ。
根茎が徐々に大きくなり、土から露出し始めた。
ここから更に、僕たちの手と愛情で生姜を大きく
育てる事になる。
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生姜は土から出ると根茎が育たなくなるから、
土から出た根茎が隠れる位に土寄せをして、
更に、適度な湿気が保たれるように、刈り取
った草で敷き藁にする。この作業を繰り返し
繰り返しすることで、無肥料でも生姜は大き
く育つんだ。
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【9月中旬】
高知から師匠が畑に来た。生姜の育ち具合や栽培管理を見てもらう為だ。「100点満点!」
との評価をもらいミッチェル(NOWTENKIのリーダー)達は大喜び!その場で試し堀りをした新生姜
をビールと共に頂いた。最高に美味しかったに違いない。
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【11月下旬】
10月初旬まで台風が連続発生し、あちこちで畑の被害があった中、生姜の茎葉は倒状防止
ネットのおかげで被害もなくスクスクと育っている。長く伸びた茎葉が青々と生い茂り、
手塩にかけて育て、大きくなった生姜の収穫も間もなくだ。
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【12月下旬】
やっと収穫の日を迎える。秋も深まり冷たく乾いた空気の中、山間の畑いっぱいに
土と生姜の香りが漂う。僕は小さな宇宙の上でワクワクを感じ、嬉しくてたまらなかった。
収穫量は新生姜105kgを収穫。種に使った生姜25.5kgを回収。思ったよりも大収穫となった。
生姜も人もいい顔してる!
そして生姜の収穫祭。一人ひとりが生姜を使った料理を持ち寄った。
どれも鮮やかで初めて味わう料理ばかりで美味しくご馳走になった!
いや、「こんなに美味しいのか!!」と、永遠食べ続けたいほど美味であった。
自分たちで種芋から育て、その成長を見守りながら手をかけ、やがて収穫するのは最高の楽しみである。
そして、生姜を使った料理を美味しく味わうことで、あらゆるもののご縁に思いを馳せていく・・・・。
それは自ら栽培した人でしか経験できない喜びであり、畑でかいだ香りが映像となって記憶に残るだろう。
2019年の今年、植え付ける種芋は『NOWTENKI』がこの地で育てた生姜である。
NOWTENKI産生姜だ。ここから固定種となり、より良い未来へ受け継がれていくよう、僕は願う!
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